2004年11月29日やわらかな心
最近、近隣地域の催しで映画上映会と影絵上演会があり、
家族で見に行きました。
行政推奨の子ども向けの催しですので、上演作品は教訓的なものだし、
子ども向けにだいぶん内容が簡単になっています。
しかしこれが、やはり素晴しいのですよ。
まず映画の演目が
「チロヌップのきつね(高橋宏幸原作)/ 雪渡り(宮沢賢治原作)」。
「雪渡り」では、久しぶりに「美しい日本語」に聞き入りました。
きつねと子どものふれあいはどちらも思いやりいっぱいで、
もてなす立場ともてなされる立場で、お互いに一人前に振舞います。
現代なら大人でもこんな立派な対応できませんよ。
新聞で「小学生の半数が日の出入りを見たことがない」という調査結果を見ました。
雪渡りで表現される「堅雪かんこ、凍み雪しんこ」という言葉も、
東京の子ども達はきっと理解できないでしょうねぇ。
雪って降ってもすぐ溶けると思ってるでしょうから。
「チロヌップのきつね」はもう涙々です(ToT)
母子のきつねが寄り添い、雪に埋もれていく場面は思い出しても泣けます。
動物にも親子の情があるのよ、との動物愛護団体推薦なわけです。
最後は一面のきつね花に包まれるのですが、救われない思いは残りますね。
1娘も2娘も涙してました。
影絵(劇団かしの樹)が
「赤いろうそくと人魚(小川未明原作)/走れメロス(太宰治原作)」でした。
生の影絵って初めて見ました。
美しいものですね~(*o*)
おまけにたった2人で上演していたと聞いて、またビックリ(@_@)
人形の首、手足などこまかな動きも、一人一体を操作し、
背景はスイッチで切り替え、セリフはヘッドマイクを使ってしゃべっているそうです。
すごい器用な方々のようです。
「赤いろうそくと人魚」は悲しいお話ですが、
絵本の挿絵がキレイで、とても好きなお話でした。
影絵でも美しい絵を見られて、とても満足でした。
「走れメロス」はこのご時勢、
子ども達にどれほど受け入れられるのかなぁと思いながら見てました。
友情、信頼、約束。
そういったもののために命を懸ける。
理想ではありますね。
2娘が、メロスを見て泣いてしまったのには、ビックリしました。
「だれも死ななくてよかったね」と言ってました。
4才の純粋な心に響くものがあったようです。
さめた目で見ていた自分が恥ずかしいですね。
1娘はお友達と「やっぱ友情は大切だよね」と言ってはいましたが、
すぐその帰り道で友達ともめてました(^^;)
なかなか殊勝な気持ちは長続きしないようです。
映画も影絵も(読書でもテレビでもなんでもいいのですが)
自分以外のものに共感して涙を流すって気持ちいいって久しぶりに思いました。
最近は怒りんぼハ ハなので、心もささくれだっているようです。
心から笑い、共感して涙を流す、そんなやわらかな心を大切にしたいです。
子どもにも、そうあって欲しいと思い ます。
子どもの環境は親が作っているのだから、
いろんな体験が出来る機会を、努めて意識して設けていきたいなぁ。
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